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最低限度の生活とは

11月末頃、事情により住居がなく、携帯、車や自転車もなく,所持金300円しかない方に付き添い、生活保護の申請をしました。即日住まいを確保していただきましたが、毛布1枚しかなく、暖房設備はありませんでした。

 

生活保護の決定が出るまでの期間は原則14日以内とされています。それまで300円では生命身体の危険がありますので,生活保護の申請と同時に、社協のたすけあい資金5万円の融資も申請しました。生きるための5万円です。

ところが、この資金が交付されるのは、早くて2日後と言われました。

 

11という時節を考えると、暖房設備や布団,衣類等を購入したいところですが、できません。自由に飲食することはできません。社協のフードバンクという有難い制度がありますが,直ちに利用することはできませんでした。

 

申請から2日後,5万円を受け取る日がきました。しかし市担当者から、たすけあい資金として手渡されたのは1万円でした。市担当者からの提案により、無駄遣いしてなくならないように,1週間に1万円ずつ手渡されることになりました。

あくまでも本人のためであり,本人の同意は得たそうです。

全く別件で、5万円を渡した後に失踪した人がいて回収不能になったという話もされました。

 

生活保護を借りるような弱い立場にある人が,本当の意味で,同意・不同意を表明するのは実はすごく難しいことです。

 

1週間で1万円もあれば十分な金額でしょうか。

暖房設備がなく,敷布団もなく,毛布だけの状態で,耐えられるでしょうか。

このような境遇に陥った方の自己責任でしょうか。

自分がその立場だったら、この運用に「同意」できるでしょうか?

 

酒田市の地理に詳しくないこの方は、片道2時間歩いて事務所まで来て、

1万円しか貰えなかったとつぶやきました。 

 

私は、酒田市に小さい頃から居住し、市で働く方々に敬意を持っていますが,このような運用の在り方には大きな疑問を感じています。